食事の基本大切さ
すべての動物の命のみなもとは、「食べる」ことにあります。
人間の赤ちゃんはおっぱいやミルクに始まり、離乳食を経て大人と同じ食事へと移っていきます。
赤ちゃんや子ども時代はママやパパが与えないと食事をとることができません。
何が必要なのか大人が把握してバランスよく栄養をとることで、順調に身長や体重が成長し
好き嫌いなく、いろいろなものを美味しく楽しく食べられるようになると、様々な経験を通じて
「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得します。
健全な食生活を実践することができるように、赤ちゃんの頃から習慣づけることが大切になってきます。
ミルクはどうして必要なの?
赤ちゃんは生まれてからたった1年間で体重は3倍、身長は1.5倍、脳の重さは2倍にもなります。
これからの長い一生の中で、最も劇的にカラダが変化するとても大切な時期です。
赤ちゃんはおっぱいやミルクに始まり、離乳食を経て大人と同じ食事へと移っていきます。
ミルクの量が、赤ちゃんにとって適量かどうかを知る手がかりはいくつかあります。
まずチェックすべきポイントとしては、体重は増えているかどうかです。
もし赤ちゃんがミルクを飲む量が少なくても、少しずつ体重が増えていれば問題ありません。
また、下痢や便秘になっていないかにも、注意してください。
お腹の調子が整わない場合は、逆に飲ませすぎている可能性もあります。
赤ちゃんの機嫌は良いかどうかも、気をつけてあげましょう。
ミルクが不足していると、グズりやすくなります。その場合は、いつもより少し多めに与えて
様子をみてください。
離乳食はどうして必要なの?
母乳やミルクを飲んで育ってきた赤ちゃんが、少しずつ固さや形のある食べものに慣れて
子どもの食事を摂取できるようになるプロセスが「離乳」であり、この時期の食事を「離乳食」と呼びます。
食べものを噛みつぶしたり、飲み込んだりできるように練習をするために、離乳食は必要なのです。
食事のたのしさを体験し、「自ら食べる力」を育みましょう。
いつから始めればいいの?
生後5~6ヵ月になり、こんなサインがあったら、離乳食を始める時期です。
・首のすわりがしっかりし、支えてあげると座ることができる。
・大人が食事をしていると口を開けるなど、食べものに興味を示す。
・スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことが少なくなる。
献立のポイントは?
・素材の味をいかした調理を。塩分は控えめに。
・彩りよくたのしいメニューを。いろいろな食材を取り入れて。
進め方のポイントは?
・その子に合ったペースで
・笑顔で
・赤ちゃんの様子や体調をチェック
・食べることのたのしさを伝える
月齢別にみる離乳食
離乳食初期 5、6ヵ月頃(離乳食初期・ゴックン期)
スプーンでひとさじから離乳食を始めます。
すべてがはじめての体験ですから、緊張しないで、新しい体験をたのしみましょう。
離乳食を始めて1ヵ月くらいたったら、1回食から2回食に増やしていきます。
- 献立のポイント
- まずは消化のよいおかゆを1さじから
- 慣れてきたらおかゆに野菜をプラス
- 白身魚などのたんぱく質は、1ヵ月をすぎてから
- 調理のポイント
- とろとろのポタージュ状にする
- 素材の味をいかした調理を心がける
- 人肌くらいの温かさが食べやすい
離乳食中期 7、8ヵ月頃(離乳食中期・モグモグ期)
舌を使ってモグモグします。
いろんな味にチャレンジするようになります。食べものへの興味がさらに広がる時期です。
1日2回食で食事のリズムをつけていきます。
- 献立のポイント
- 食材を工夫して、バランスのとれた献立を
- 少しずつ味つけの幅を広げて風味豊かに
- 1日2回食に。献立のバリエーションを広げて
- 調理のポイント
- 大人の指でつぶせる程度の固さに
- 小さなかたまりを意識して調理を
- いろいろな素材をとり入れて
離乳食後期 9~11ヵ月頃(離乳食後期・カミカミ期)
そろそろ歯ごたえのあるものを、噛んで食べます。
歯ぐきを使って、カミカミの練習をします。
やわらかすぎても固すぎても、丸飲みの原因になります。
1日3回の食事のリズムを大切に、家族で食事を楽しみましょう。
- 献立のポイント
- 3回食の、栄養バランスを考えて
- 鉄が不足しやすいので赤身魚、レバーなどもとり入れて
- 彩りのよい料理で食欲を引き出そう
- 調理のポイント
- 食材の固さはバナナくらいを目安に
- 手づかみ食べがしやすい調理を
- 大人の食事を薄めの味付けにするととり分けも可能に
離乳食完了期 12~18ヵ月頃(離乳食完了期・パクパク期)
エネルギーや栄養素の大半を食事から取り込みます。
形のある食べものを噛んで飲み込めるようになり、エネルギーや栄養素の大部分を母乳または
ミルク以外の食べものからとれるようになったら、離乳の完了です。
- 献立のポイント
- ごはん、おかず、汁物の三角食べを心がける
- 洋風よりも和風の献立を中心に
- 食欲をみながらおやつを工夫して
- 調理のポイント
- 食材を少しずつ大きくしていく
- 手づかみ食べがしやすい調理を
- 薄味ながらも味つけに変化を
まとめ
赤ちゃんの栄養摂取は母乳や育児用ミルクを哺乳することから始まり、離乳食から幼児食に移行して
いきます。そして摂取する食品の量や種類が多くなり、献立や調理の形態も変化していきます。
食の自立への第一歩の時期は、食べさせて成長を見守るだけではなく、赤ちゃんの食べる機能や意欲を
適切に引き出して自立を支援することが大切です。
先を急がず、成長のペースを大切に、ゆったりとした気持ちで食べることを一緒に楽しんでいきましょう。